ぼく ときどき ぼく

毎日の振り返りをメインに記しています。

卒業式の祝辞

〇〇小学校の素晴らしい卒業式に同席でき、大変光栄に感じています。

みなさんが入場してくる姿には、「立派」という一言ではあらわしきれない強さ・美しさ・やさしさなど、称賛に値するすべての言葉が凝縮されます。大変胸が熱くなる思いです。

あらためまして、卒業生の皆様 卒業おめでとうございます

また、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます

本日まで熱心にご指導頂きました、三宅校長先生をはじめ、先生がた、学校関係者の皆様に深く感謝いたします

 

さて 卒業生の皆様、6年間〇〇小学校の生徒として、様々なことに情熱を注ぎ、一生懸命がんばってきたことでしょう。その一生懸命頑張ってきた経験や出来事は、今後の人生でみなさんの大きな支えとなります。

一生懸命に頑張ることや、夢中になることは、若いみなさんにとってかっこ悪いことかもしれません。何かをはじめる前は、失敗するかもしれない、恥をかくかもしれない、そんな思いもこみ上げてくるでしょう。みなさんより30年以上長く生きているわたしも、未だに同じ気持ちです。

 

そんな時いつも考えるのが、小学校のときの出来事です。消防団の制服を着ている身分ですが、みなさんとちょうど同じ頃、消防団の方にご迷惑をかけた経験があります。「土岐川を船でくだりたい」という衝動にかられました。理由は分かりません。その衝動にかられ二週間ぐらいかけて船を作りました。ノコギリで木を切り、縄で結び、重みで沈んでしまうので、発泡スチロールやプラスチックをくっつけ。もちろん周囲の大人には内緒で進めました。

船は完成し、図書館の前あたりから水に浮かべ、無事に出港を迎えました。少し動くだけで傾いてしまう船でしたが、少しずつ前に進みだした船に乗っていると、それまでの不安は吹き飛び、ほこらしく、自信に満ち溢れた感情を持ちました。はじめは順調に進んでいましたが、小学生の自作の船ですから、浸水をして、結局、〇〇神社の裏辺りで沈没し、身動きができない状態になってしまいました。岸まで行けない距離や水の深さはありませんでしたので、ずぶ濡れの状態で、自力で船を引っ張っているところを、最後は通りかかった消防団の方に手伝っていただき、陸に上がることができました。当時は、川遊びでの事故の報道も多くされており、子供だけの川遊びに対しては厳しく指導がされている中ですので、この件は学校へも連絡され、保護者も呼ばれて、担任の先生方に厳しい指導を受けました。「悪いことをした」という気持ちがあり、そのときは素直に反省をしました。危険なことをして怒られたという経験を伝えたいのではなく、みなさんに伝えたいのは次の出来事です。数日後に、船を浮かべた友人と当時の校長先生に呼ばれ、校長室に行きました。当然、また指導を受けるのを覚悟していました。しかし校長先生は、「よくやった。よくチャレンジした。君たちをほこりに思う。」と褒めてくれました。指導を受ける、怒られる準備をしていたので、その真逆のできごとに驚き、そしてなぜか涙が出ました。校長先生がなぜ怒らなかったのか、なぜ褒めてくれたか、当時は分かりませんでした。

 

一生懸命に頑張ることや、夢中になることは、はじめに話したように、失敗するかもしれない、恥をかくかもしれない、または、将来につながらないかもしれない、無駄かもしれない、そんな思いがよぎり、踏み出せない場面があるでしょう。ですが、自分の気持に従って、踏み出してください。自作の船を、沈むかもしれない、進まないかもしれない船を、夢中で浮かべてください。自分の直感、運命、人生、その衝動を信じてください。自分の心に従う勇気を持ってください。たとえそのせいで、あなたが多くの人が通る道から外れるとしても、それこそが大きな違いをもたらすのです。

 

最後に、私が大切にしている言葉を送ります。

Stay Hungry. Stay Foolish.

ハングリーであれ。愚か者であれ。私自身、いつもそうありたいと思っています。そして今、卒業して新たな人生を踏み出すあなた方にもそうあってほしい。

ハングリーであれ。愚か者であれ。

ありがとうございました。

 

令和四年度PTA会長 ぼく